コーヒーの手廻し焙煎器を自作してみたらプロ御用達のサンプルロースターよりうまく煎れたかもしれない


_DSC0115
↑今回作った新しい焙煎器。実は焙煎器の自作は2台目です。
以前使っていた焙煎器は構造的に限界を感じていましたので改良してみることにしました。
_DSC0208-2
↑以前使っていた一斗缶と排水口ゴミ受けで作ったプロトタイプの焙煎器。(実際はこれにフタを被せます)
ズタズタのガッタガタですが結構おいしく煎れてました。
少なくともアルミ製焙煎器「煎り上手」よりはうまく煎れます。
ドラムの主軸を支える部分にコルクを使っていますが、
これダメです。燃えます。
もしマネするなら今回の改良版の方をご参考ください。
 
では、改良版焙煎器レッツメイキング(´∀`)
 
_DSC0059
まずはドラムの左右のフタの部分を作ります。
0.3mm厚のステンレス板(SUS304)をホームセンターで買ってきました。
青く見えるのは、ステン版に最初から貼られてあったフィルムです。
_DSC0082
切る時は金属加工用のハサミでちょきちょき。
曲げる時は当て木して手でぐいぐい曲げちゃいます。0.3mm厚くらいなら手でもできますよ(´∀`)
_DSC0103
豆が入る部分は9.5cm×9.5cmで、折り曲げる部分は2cmとりました。
フタとドラムをパチン錠で留められるようにするので折りの部分に穴を開けておきます。
それと攪拌用の羽をボルトとナットでとりつけるのでその穴を開けておき、真ん中に主軸用の直径1cmくらいの穴も開けておきます。
_DSC0062
ドラム(焙煎器の本体)部分はステンレスのメッシュを使います。
細かいチャフ(コーヒー豆の薄皮)が下に落ちるようにしたかったので小さすぎない目合(2.07mm×2.07mm)のものを選びました。(いい感じの目合のものが近所のホームセンターになかったので、通販のモノタロウで買った。)
_DSC0063
金属加工用のハサミでちょきちょきして適当に折って、メッシュを1本1本ドライバー等使って編み込んで四角い筒状にします。
あ、写真のハサミは普通のハサミですよ。(´∀`;)メッシュを編み込む際ピンセット代わりに使いました。
_DSC0083
うん、けっこうぴったり。
こちらのフタは真ん中の穴が直径2.2cmと大きいですが、理由はテストスプーンを焙煎中に入れられるようにするためです。(温度計も入れられる)
焼き具合を目視できるようになれば再現性も向上するはずです。
ちなみに旧タイプの自作焙煎器はこの機構がなかったので、時間と温度とハゼの音と匂いと手の感触(重さ)で焼き具合を判断していました。
_DSC0100
テストスプーン差込用兼主軸用のパイプをつなげます。
この部品は隣町のホームセンター(守谷市のジョイフル本田)で発見して購入しました。商品名は確か「スマート脚 丸(高さ10cm)」だったはず。
お値段206円なり。安い(゜∀゜)
このとき既に攪拌羽もつけちゃってます。
_DSC0087
前後しますがこちらが攪拌羽。
先の0.3mm厚ステンレス版の余りを活用。3.5cm×5cmくらいの大きさに切って少し折ります。
後程、豆を傷つけないよう角丸に加工しています。
_DSC0106
これは反対側(取っ手側)の主軸用の全ネジです直径1cm、長さ6cm。
_DSC0088
取っ手の材料はこちらの「ステー」です。
切断はホームセンターの加工コーナーで1カット50円でやってもらうもよし、自分で金のこぎりで1/3の厚さまでがんばって削ってあとは曲げて戻して曲げてを繰り返し金属疲労でパキっと折るもよしです。(ちなみに私は自分でやりました…大変なので加工コーナー利用推奨です)
_DSC0094
切断したステーを曲げ曲げ。柔軟性があるので手で折り曲げが可能。
一番手前の穴は主軸に通すためドリルで穴を広げています。
_DSC0124
全ネジにスペーサーを被せてナットとワッシャーで固定。
ハンドルも付けたけど無駄に長いので…
_DSC0143
後程、別のハンドルに変えてます。
_DSC0136
ちなみにこれがスペーサー。
回しやすさと保護の両方の役割を兼ねます。
_DSC0123
ドラム部分全体。
_DSC0127
容易にドラムを開閉しやすいようパチン錠をつけました。
でもこのタイプのパチン錠、外れやすいのでオススメしません。
攪拌テストしたところ、途中で錠が外れて豆をぶちまけてしまいました…OTL
ですので…
_DSC0151
↑パチン錠はこちらのタイプがおすすめです。
開け損じの穴がありますがお気にせず…性能に問題はありませんw
_DSC0150
ちなみに反対側(テストスプーン側)の方はボルトで固定しちゃいました…(´∀`;)
パチン錠受けの方の名残がありますがこちらもお気にせず…性能に問題は(ry
_DSC0131
さて話を戻して…こちらがドラムのテストスプーン差込側の方。
_DSC0158
こんな感じでアルミチャンネルをスプーンとして差し込んで引き抜いて豆の焼き具合をチェックします。
_DSC0134
ドラムをパカっと開けると…
なんということでしょう。攪拌羽が付いています。はい。(´_ゝ`)
猫の手招きする動作と同じ方向でハンドルを廻しますので、手前の羽が下にさがっている必要があります。
こうすると左右に寄った豆をドラムの中央部分に戻すことができるのです。
_DSC0069
では、お次はドラムを支えかつ冷気が入らないようにするための囲いというか箱をつくりますよ。
普通にホームセンターで売ってる45.5cm×91cmのでっかい0.3mm厚ステンレス板(SUS430)。こちらはフタの方と違って磁性があり若干安いです。
_DSC0073
箱は上下で分かれるようにしたいので、
下側用を22.75cm×25cmを4枚。上側用を22.75cm×20.5cmを4枚に金属加工用ハサミでちょきちょき切り分けました。
丁度でっかいステン版1枚ぴったりで事足りました。よかった(´∀`)
_DSC0076
切り分けたステン版をつなげるためのコーナーをアルミアングルでつくります。金のこぎりでギコギコ。バリはヤスリで削ってなめらかにします。
上側の囲いを下側にかぶせた際にずれないよう、下側のコーナーを少し短くして上側をほぼ同じ分長くします。
_DSC0078
こちらは下側の囲い。
穴を開けてボルトとナットで留めていきます。
_DSC0081
テストスプーン差込用兼主軸用のパイプを支えるための穴も開けておきます。
反対の取っ手側の主軸の方も同様に。
_DSC0120
主軸を支えるところには薄いアルミ板を加工して廻しやすいよう「受け」を作ります。
_DSC0114
完成しました~(´∀`)
_DSC0107
上側の囲いを被せるとこんな感じ。冷気をいい感じに遮断します。
高さを出した理由は、煙突効果を持たせてスムーズに煙を排気させるためです。
排気しすぎる可能性もあるので、あとでダンパー機能としてフタをつけるかもしれません。
_DSC0154
囲いの周りに磁石を置いて焙煎中囲いがずれないようにしました。
磁性のあるステン版を囲いに採用したのはこのためでもあります。
 
 

豆が攪拌されている様子を撮りました。豆の動きが分かりやすいようあえてゆっくり廻したりしてます(片手撮影でピントが合わせられず…お見苦しくてすみません…OTL)。豆は130g入っています。
左右に付いている羽で豆を中央に落とし、前後上下はドラムが四角い構造なのでただ回してるだけで攪拌されます。
動画で羽とドラムの間に豆がひっかかっていますが、現在は手直し済みです。
9673-2
さて、肝心のお味はというと…
明らかにえぐ味が減りました!(´∀`)
さらに香りも増えたように思います!(゜∀゜)焼きムラはもちろんほぼ無し!
まだ数回しか煎ってませんので排気の調整や火力等研究する余地がありますが、傾向は非常に良いと感じました。
大変だったけど作ってよかった。 ε-(´∀`;)
豆の焙煎についての詳しいお話はまた別の記事で書きますよ~。
 
↓ここからちょっと小難しい話になります↓
 
今回の新焙煎器、旧タイプよりも格段に冷気の遮断性能と排気力が向上しました。
さらに重要なのは、豆への熱の伝わり方を変えたことにあります。
大変マニアックな話ですが、焙煎というのは3つの熱の伝わり方によって味わいが異なってきます。すなわち伝導熱・輻射熱・対流熱の3つの熱のバランスです。
熱風系(つまり対流熱の割合の多い)焙煎器は香り立ちがよく、半熱風系(伝導熱・輻射熱の割合が多い)焙煎器は特有のロースト風味(カラメル風味)が出る傾向にあるといわれています。
じゃあ直火式の焙煎器はどうなのか。一般的に直火と熱風は相反するものとされ、その中間として半熱風が位置づけられています。
が、これは間違っている。と私は考えています。
3つ熱の伝わり方を見れば、直火と熱風はむしろ仲間であり、これらに対するものこそ半熱風であると確信しています。
間違いなく少数派の意見ですが、あのフレーバーコーヒーの帰山人さんも同じような見解でした。
 
旧タイプは伝導熱・輻射熱の割合が多く、珈琲問屋横浜さんの熱風式ジェットロースターで焙煎された豆よりも当然香りが少なかった。
私の目指すところは、香りで豆それぞれの特徴を楽しんでもらえるような、でもある程度パンチのある味わいです。
なのでドラムをメッシュ状にすることにより熱の与え方を伝導熱・輻射熱→対流熱へシフトさせる必要がありました。
 
プロも使用している4~5万円程度するサンプルロースター。これは大変に優れた焙煎器です。
サンプルロースターひとつで日本のコーヒー文化を牽引してきた大坊さんのようなすばらしい焙煎士もいらっしゃいます。
ですが実際サンプルロースターを使ってみると、自分の目指すベクトルとは違う焙煎器だということがわかりました。
自分に合うものがなければ作ってしまおう。そう思って焙煎器の自作を始めたのでした。
cocoatta_4905001269615
↑パンチングなしのサンプルロースター。
これは伝導熱・輻射熱重視の半熱風式ですね。
逆にパンチングありの方は直火式ですが、もろに外気に晒されるので今回私が作ったような囲いが必須と思われます(ワイルドコーヒーさんも同じ見解でした)。また、火元との距離が近すぎるのが少々気になります。
 
本記事のタイトル「サンプルロースターよりうまく煎れたかもしれない」というのは若干語弊がありますが、あくまでも私の目指す味を表現することにおいてという意味ですので、関係者の方々どうかお気を悪くしないでいただければ幸いです。m(_ _)m
 

サンプルロースター 手動式

新品価格
¥40,208から
(2016/1/2 06:28時点)


「コーヒーの手廻し焙煎器を自作してみたらプロ御用達のサンプルロースターよりうまく煎れたかもしれない」への10件のフィードバック

  1. みごとな作品に感動しました!
    参考にさせていただき、僕も挑戦したいと思いますが、
    こんなに綺麗に作れる自信はありません。

    1. コメントありがとうございます!
      お褒めいただきめっちゃうれしいです。(´∀`)ワーイ
      ホームセンターを活用すればなんとかなるもんですよ。
      店員さんが親切に教えてくれますし、加工コーナーも超便利です。
      焙煎はどのように火を当てるかで味が変わってきますので、奥が深く難しいですがそれが醍醐味でもありますね。
      ぜひご自分の味を追及してみてください~。

  2. 素晴らしい出来栄えですね。
    私も貴兄の記事などに触発され、無謀にも自作を試みました。以下長文で恐縮ですが自作機を紹介させていただきます。アドバイスなどありましたらご教授いただければ幸いです。
    手網からスタートし、直火ドラム式の手回し型にチャレンジ。これは箸立て(IKEA製ステン穴あき径12センチ)の内側にステンメッシュ10番を張り蓋をしたものでその後アルミの風防を付けたものですが、それなりに重宝しています。これでは飽き足らず、業務用の基本構造をまねて今度は一応半熱風式のダブルドラム(パンチ無、内側にステンメッシュ張り、ステン板は百均のトレーを加工)ドラム蓋には広口ロートを付け豆投入排出と焙煎確認可能な構造としました。今回はステン薄板で下部、上部ともに全面をカバーできるフード(調整可能な排気口付き)も付け、投入口はベアリングで受けるなど凝った造りにしましたが溶接や鉄切断技術が未熟のため出来栄えはいまいち、何とか格好を付けました。まだ未使用ですが、業務用の基本機能をまねたのはいいのですが、熱風のダンパー機能はなく、自然排気、フードの製作誤差など全くの別物になったようです。機器に合わせた調整が楽しみといえばそうですが。
    長々と手前味噌な文章を大変失礼しました。
    2016.8篠原(神奈川横浜)

    1. 半熱風ですか!いいですねえ。私がごくたまに外で唯一買うコーヒー屋さんが半熱風式でした。
      直火よりマイルドになると言われていますよね。
      ベアリングも作業効率が良さそうでいいですね!
      さて、ダンパーについてですが、これはこだわらなくて全然問題ありません。自然排気でいいです。私もそうですし。
      要は豆量と火力と火の距離を見極めて冷気を遮断して長い時間煎りすぎなければおいしくなります。(ざっくりな言い方で申し訳ありません。でも本当のことです。)
      誰が言い始めたのかはわかりませんが、「蒸らしダンパー」などという言葉に惑わされる方が多いので本当に気をつけた方がいいです。
      かつての私もこれに幻想を抱きずいぶんと時間を無駄にしました(笑)
      ドイツ製の焙煎機「プロバット」はダンパーなんてないですからね。それでもうまい人はウマイです。
      ちなみに現在の私の焙煎器は一回り大きくなっており、テストスプーン用の穴もなくなっています。
      これらのことを詳しくまた記事にするかもです。
      しのはら様の焙煎道に幸あれ。
      コメントありがとうございました。(´∀`)

  3. こんにちは
    この記事を見て長年ボンヤリと考えていた焙煎器を自作しました。
    本日、10月10日に初焙煎しました。
    深煎りし過ぎでしたが、自分にとっては上出来です。
    ほぼ貴兄の焙煎器と同じ作りです。円筒形の2重構造にした点が工夫です。
    外側の円筒には小石を入れ、内側で豆を焙煎します。
    石の効果で焙煎器を覆うカバーは付けなくともOKでした。
    石が温まる迄の15分は豆の色も変らず失敗を覚悟しましたが、それから15分位で焼き上がりました。
    網、即板、ハンドル、サンプル取り出し口、軸受けなど、上記以外は貴兄の貴重なアイデアを使わせて頂きました。
    この記事がなければ、手をつける事も出来なかったでしょう。
    まずはお礼まで。
    感謝です。

  4. なるほど~(´∀`)
    伝導熱と輻射熱で焼き上げる半熱風式ですね!
    石で蓄熱すればたしかにカバーはいらなそうです。
    それにしても『石焼コーヒー』。キャッチーで素敵なコンセプトです。
    もしも商品化したらブランドロゴマークのデザインさせてください(笑)
    少しでもお役に立てたなら何よりでございます。
    さいじょうさんの毎日が、良きコーヒーライフとなりますように。

  5.  焙煎機自作をと考えて、本webの内容を参考にさせていただきました。構造はプロットタイプの排水口ごみ受けを
    利用して底側にはスマ-ト脚を取り付けて中心部をドリルで穴あけしました。反対側は100均のケ-キカップ底付きを
    使って中心にM6ホルトを通す穴を開けて長さ50mmのボルトを取り付けました。当然自作なので左右の軸中心は少し
    ずれています。(中心を揃えることは私のスキルでは無理)スマ-ト脚は直径30mmなので、丁度良いボ-ルベアリング
    のフランジ付きが有りましたので、それを取り付け反対側のM6ボルトの先端と6Vモータ-の先端をスプリングで接続
    しました。回転は20rpmです。少し遅い感じです。手動だと一秒間に1回転から2回転です。
    初めてにしては、なかなか良い感じで、2ハゼから少し煙が立ってきたので終了しました。
    色んな種類の生豆を焙煎して、やつと自分の好みに合った味に出合いました。有難う御座いました。

  6. おお~電動ですか!
    作業効率と再現性が向上しますね(´∀`)
    私は手の軽さで焙煎具合を判断したりもするので手動ですが、
    回転数は1秒間に2回まわらないくらいの速度です。
    2ハゼから少し煙ということはフルシティくらいですかね。
    自家焙煎は自分の好みの焙煎具合を研究できるから面白いですよね。
    少しでもお役に立てたならよかったです。
    コメントありがとうございました。

  7. こんにちは、質問させてください。
    ドラム部分に使っているステンレスのメッシュの目地ですが、(2.07mm×2.07mm)のものを選んでおりますが、これで正解でしたか?目地をさらに細かくし、チャフは内部で焼くことについてはどうお考えですか。
    現在はもう一回り大きい手回し機をお使いとのことですが、メッシュの目地とドラム本体のサイズ(本ページのものは9.5cm)を教えてくださいませんか。
    本ブログ、いろいろな制作物があり、楽しみ見ています。^^/

    1. 正解かどうかはわかりませんが、私が使ってるメッシュと同じ大きさですね。
      パンチング穴なし(半熱風式)のサンプルロースターは、内部でチャフと豆が混在した状態で終始焼かれますが味に問題はないと思っています。
      ただ、直火の場合は半熱風と違って輻射熱が弱いので、チャフが混在することで豆への火(熱)の当たり方も若干弱まる可能性がありますね(その良し悪しは表現したい味にもよりますのでわかりません)。
      このメッシュだとある程度ドラムからチャフが排出されるのでチャフによる火当たり阻害を防げ、焙煎後のチャフの除去作業が楽になる利点があります。
      デメリットとしては、チャフが火に引火して煙が発生するので燻り臭が付く可能性があります(私のは抽出したコーヒーに燻り臭なるものを今まで感じたことはありませんが)。また、豆の焼き具合を判断するための匂いにその煙の匂いが混じってしまい、慣れていないと惑わされることがあります。
      今私が使っているドラムのサイズは、12cm×12cm×16.5cmくらいです(メッシュは同じ)。
      ですがこれが絶対に正解というわけではなく、要は豆量に対する火力と距離のバランスが大事なのであくまでも参考程度にしていただけたら幸いです。
      何事もトライアンドエラーで自分でセオリーを作っていく方が案外近道だったりします。
      なすさんの求める味が表現できますように。(´∀`)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>